ウィルチェアーラグビーチーム:アックス

アックス烈風録 → 密着取材、戦場カメラマンは見た。

密着取材、戦場カメラマンは見た。 (2010.12.11〜12)

2010年度の総決算。第12回日本選手権が始まります。この日のために各チームしのぎを削って準備してきました。AXEも例外なく調整してきましたよ。

今年はいつも以上に注目されているのか、各チームに選手権に向けての取材が入っているそうです。
ディッパーズに至ってはTV取材が2社も入るうえに1つは密着ですって。うらやましぃ。
それなのにAXEの注目度はいま一つ。ちぇっ!

こうなったら今話題のアノ人に密着取材をお願いしちゃおう。
秘密のコネがあるのです。うしし。


意気込み十分です。

12月11日(土) 選手権1日目
戦場カメラマン登場!


こんにちは。

戦場カメラマンの、渡部よーいちです。
この度は、ウィルチェアーラグビー、日本選手権における、AXEへの同行取材を、非公式に、依頼されました。戦場とは、勝手が違うので、少々戸惑っておりますが、よろしくお願いします。

私の口調を、文字にすると、大変読みにくいとは思いますが、脳内変換して、お付き合いして頂けると、大変うれしく思います。



とても綺麗な体育館ですね。一枚頂きます。

とてもカラフルで、きれいなコートです。
床への傷防止のために、プラスティックの板を、敷き詰めているそうです。

このような色は、戦場では、あまり目にする事はありません。目立つ色を身につけること、それは標的になることを意味するからです。


戦場カメラマンと握手してもらう。

平井選手と握手しました。
戦場で、写真を撮るうえで、コミュニケーションはとても大切なことなんですね。いきなり写真を撮っても警戒され、笑顔を見せてくれないため、「I am ブルース・リー」といって気を引く事にしています。ブルース・リーを選んだ理由は、外国の子供が良く知っている東洋人だからです。
それにしても見事な頭です。これは、天然ですか?


早速撮影したいと思います。 カシャ!カシャ!

頂きました。

1戦目 「ブリッツ」。


確認作業が続きます。

サブアリーナでアップをする選手です。
対戦相手は、選手権6連覇を狙う「BLITZ」というチーム。そのため入念にオフェンスの確認をしているようです。

まもなく試合が始まります。
戦場に似た緊張感が空気を通して伝わってくるようです。






負けてしまいました。

立ち上がりが悪く、常に追う展開。何度か同点に追い付くものの最期は力尽き、点差が離れてしまいました。

BLITZ 56 - 49 AXE

戦士の休息。


次の試合に向けて食事をします。 / 私もお弁当を頂きました。

残念ながら、試合には負けてしまいましたが、大会はまだまだ続きます。 少し遅くなりましたが、昼食を頂きます。

イラクで取材をしている時は、アメリカ軍の携帯レトルト食品であるレーションを食べていました。 高カロリーなので、1パッケージを食べれば1日大丈夫なのです。


何か気になるものを発見!? / ディッパーズを取材するTVクルー。

ビッグディッパーズを取材するTVクルーを発見しました。

戦場では、レンズ以外の部分を、黒いテープで巻きます。カメラに太陽光が反射すると、それが銃だと間違われて、射撃されることがあるためです。


これはなんというお菓子ですか? / 美味い!を全身で表現。

羽賀選手とスタッフの有美さんの家族から、お菓子の差し入れがあったようです。甘いモノは大好きです。


記念に、一枚頂きます。

他チームのスタッフと、交流を図りました。
彼女たちは戦場に咲く、一輪の花のような存在です。その笑顔に、とても癒されます。


はい、チーズ。

パンク修理も彼女たちが行います。

そして、スタッフの皆さんは、非常に働き者です。
選手がアホな事をしている間も、彼らは黙々と働き続けます。


喉が、渇きました。

2戦目 「横濱義塾」。

神奈川の「横濱義塾」と対戦です。選手以上に監督がとても元気なチームです。試合中、コートの中に向かって、監督の怒号が鳴りやむことはありませんでした。


先ほどのゲームとは、打って変って、徹底的に攻撃するAXEです。チームのメンバーを全員出場させて、ローテーションを図りながら勝利しました。

AXE 59 - 39 横濱義塾


主力選手を2人で止めました。

この試合に、勝利したため、明日は、5位決定戦に臨みます。
対戦相手は、昨年3位の「ビッグディッパーズ」です。
世界選手権で、ベストプレーヤーに選ばれた、池崎選手を中心としたチームです。
かなりの強敵だそうです。


決勝戦は「BLITZ」vs「ハリケーンズ」

ミーティング。

明日のためにチームミーティングを行うそうです。
同席は許可されましたが、ミーティング中の撮影は許可されませんでした。極秘事項だそうです。本気さが伝わってきます。


ベッドのすき間で静かにしています。 / ミーティング前に食事をする峰島選手。

羽賀選手の筋肉 / 峰島選手は几帳面。

12月12日(日) 選手権2日目
5/6位決定戦 「ビッグディッパーズ」

5/6位決定戦は、本日の第1試合。施設の開館と同時に入場し、試合の準備を進めます。とても、慌ただしいです。


チームより大きい池崎選手の垂れ幕 / 一番右側が優勝カップ。

各自アップを始めます。 / 羽賀選手はマイペースです。

試合開始の時間が迫ります。
しかし、羽賀選手の準備が終わりません。
スタッフの歩さんが腕を組み、無言でプレッシャーをかけています。 極度の緊迫感がビシビシと伝わってきました。
このような状況でも平然としている羽賀選手。

…大物かもしれません。


一進一退の攻防線。ハーフタイムでは27-27の同点。

監督からの檄が飛ぶ!

前半は一進一退の攻防線。池崎選手の足は中々止まりません。後半からは徐々に点差が開きだします。とはいえ油断の出来ない状態。しかし最終的には逃げ切りに成功。勝利しました。
AXEは5位確定です。

AXE 57 - 53 ディッパーズ

そして…。

勝利の後のご飯はおいしいです。早速頂きます。
浮かれていたらお茶を零してしまいました。すみません。


では頂きます。 / 心から反省です。

素晴らしい、勢いのある食べっぷりです。 / 北海道のスタッフから罰ゲーム用(?)キャラメルなど頂きました。

各チームからの投票により、ベストプレーヤーを、選出するそうです。戦場カメラマンの視点から、意見を述べさせて頂きました。
どの選手も素晴らしいので、選考は困難な作業です。


決めかねます。

そんなことをしているうちに、決勝戦が始まりました。
「BLITZ」と「ハリケーンズ」が、今年度の頂点を目指して戦います。

ブリッツが追いかける展開ながら、何度も追い付き延長戦へ。非常に、スリリングな試合です。
2度目の延長戦。残り時間もあとわずか。
恐らくブリッツが最期のゴールを決め、3度目の延長戦突入。そのようなシーンを多くの者が予想していたでしょう。
しかし、ゴールならず。
この瞬間に「沖縄ハリケーンズ」の初優勝が決まりました。
非常に見ごたえのある、決勝戦にふさわしい試合でした。


閉会式。

1位 Okinawa Hurricanes (沖縄)
2位 BLITZ (東京)
3位 SUPER SONIC (宮城)
4位 BLAST (埼玉)
5位 AXE (埼玉)
6位 北海道 Big Dippers (北海道)
7位 横濱義塾 (神奈川)
8位 Gyeong buk Atlas (韓国)
9位 BULLDOGS (新潟)


峰島選手と岸選手がベストプレーヤー賞を獲得。1枚頂きます。

歩さんはTO員の資格を取得しました。

お疲れさまでした。

今日の戦場の子供たち。

四角いコートの中は戦場でした。喜びと悲しみがいくつも交差していましたが、銃弾は飛び交いません。
私が見てきた今までの戦場の中で、最も平和的な戦場でした。


どこの子?

機会があったら、またお会いしましょう。

※「戦場カメラマン、渡部よーいち」はフィクションです。
実在の人物・団体とは関係ありません。 随所に挟み込んであるエピソードもフィクションです。


< もどる   △このページの上へ

 
Copyright (C) 車イスラグビーチーム 「AXE」  All rights reserved.
各ページの掲載記事、写真の無断転載を禁じます。